板橋フルートオーケストラ スプリングコンサート〜春風に舞う調べ〜
令和6年度 公益財団板橋区文化・国際交流財団助成事業
ごあいさつ
2014年4月より「初めてのフルート講座」が40名の受講生でスタートしました。講座は2019年まで連続6回開催されました。新型コロナウイルス感染拡大による中断もありましたが、2022年に7期生を迎えることができました。講座終了後も演奏交流会を通してフルートを楽しみ、2020年に「板橋フルートオーケストラ」を結成しました。同一場所、同一講座の参加者のみで結成された、日本で初めてのフルートだけのオーケストラです。
板橋フルートオーケストラとして演奏するのは、今回で3回目になります。2021年8月第52回ふれあいステージに出演、2022年10月には自主公演として成増アクトホールで演奏会をおこないました。
今回は総勢80名を超すメンバーが約1年にわたって練習を積み重ね、板橋文化会館大ホールでのコンサート開催です。
プログラム
第1部:板橋フルートオーケストラ
W.A.モーツァルト:アヴェ・ヴェルム・コルプス K.618
松任谷由美/中村明子 編曲:ユーミン・セレクション
G.ビゼー:『アルルの女』第2組曲
第2部:講師及び賛助出演者によるアンサンブル
J.S.バッハ/教会カンタータ BWV.156より アリオーソ
P.M.デュボワ/四重奏曲
三浦真理/想い出は銀の笛
指 揮 : 野口芳久
指導講師: 高本直・向井理絵(フルート)
賛助出演: 幕内弘司(コントラバス) 山瀬哲郎(打楽器)
岡山暁子・武井久美・前田美保・山口章代・山中美穂
(ピッコロ・フルート・アルトフルート・バスフルート)
~Program Note~
W.A.モーツァルト:アヴェ・ヴェルム・コルプス K.618
4行のラテン語の詩が使われており、合唱と弦楽、オルガンのみというシンプルな編成で書かれた、わずか46小節の小品。W.A.モーツァルト(1756-1791)晩年の傑作とされています。妻が湯治のために世話になったバーデンの友人に宛てて感謝の気持ちを込めて作曲されたものですが、死を感じ始めた彼の内なる宗教感が表現されているようにも思えます。
ニ長調の主和音から始まる天上を思わせる調べ。それは次第に憂いを含み、あたたかい響きが幾重にも重なり最後は静かに音楽を閉じます。この祈りの音楽に、崇高で清純な人間の魂の昇華を感じられるのではないでしょうか。
松任谷由美 / 中村明子 編曲:ユーミン・セレクション
ユーミンこと松任谷由美。昭和、平成、令和、どの年代にも象徴する名曲を生み出す凄み。1曲でまるで短編小説を読んだかのようなストーリー性の高い彼女の楽曲はそれぞれが異なる輝きを放ち、どの世代にも多く愛されています。これまでの数々のヒット曲の中から本日は、ひこうき雲・ルージュの伝言・雨の街を・やさしさに包まれたなら・卒業写真・春よ、来いをメドレーでお聴きいただきます。
G.ビゼー:『アルルの女』第2組曲
歌劇『カルメン』と並び、ジュルジュ・ビゼー(1838-1875)の代表作である『アルルの女』。作家ドーデの小説に基づく戯曲の上演のために、1872年に作曲されました。南仏プロヴァンスのアルルを舞台に、若い男女の悲しい恋を描いた物語で、当地の民謡や民俗舞曲、楽器などを用いたビゼーの音楽が、プロヴァンスの美しい風景を思い起こさせるかのようです。全27曲に及ぶ劇音楽が作曲されましたが、現在では4曲されまとめられた2つの組曲が『アルルの女』として広く知られ、演奏されています。
フルートを吹く人にとって憧れの名曲「メヌエット」を含む全4曲。この名曲の独奏部分を1人で演奏することは、私たちにとって大きな挑戦です。お楽しみいただけますと幸いです。
I. パストラーレ Ⅱ. 間奏曲 Ⅲ. メヌエット Ⅳ. ファランドール
J.S.バッハ/アリオーソ
(1st. 向井理絵 2nd. 前田美保 3rd. 山口章代 4th. 武井久美 Alto. 山中美穂 Bass. 岡山暁子 高本直)
200年に及ぶ音楽家の家系であるバッハ一族中、最大の作曲家であるJ.S.バッハ(1685-1750)。バロック音楽において最も重要な作曲家であり、「大バッハ」「音楽の父」と称されています。この曲は、不治の病に苦しむ人と心の対話を歌った教会カンタータ「片足は墓穴にありてわれは立つ」BWV.156の1曲目として作曲されました。あまりに美しく気品に溢れるその旋律は、のちにチェンバロ協奏曲第5番の中にも転用されています。今では様々な楽器のソロや管弦楽でも演奏される名曲です。
P.M.デュボワ/四重奏曲 (1st. 前田美保 2nd. 向井理絵 3rd. 山口章代 4th. 高本直)
デュボワ(1930-1995)はパリ音楽院において学び、ミヨーやプロコフィエフなどの音楽の影響を受けた作曲家。新古典主義的な作風の強い作品が多く、木管楽器のアンサンブル作品が豊富に残されています。
この曲も近代フルートアンサンブルの歴史において基本的な四重奏の形態を確立させた作品の1 つと言えます。祭りの賑わいと躍動感に満ちた《祭り》西仏ブルターニュ地方の古い舞曲《パスピエ》美しい民謡風メロディー《哀歌》南仏プロヴァンス地方の太鼓を意味するリズミカルな舞曲《タンブーラン》という、近代フランス音楽にふさわしく4楽章の組曲形式で構成され、どの楽章にもアンサンブルの妙技が光ります。
三浦真理/想い出は銀の笛
(1st. 向井理絵 2nd. 山口章代 3rd. 武井久美 4th. 高本直5th.picc. 前田美保 Alto. 山中美穂 Bass. 岡山暁子)
「おも銀」の愛称で知られているこの曲。もともとフルート四重奏として1990年に発表されて以来、これまでにはあまりなかった親しみやすいポップな曲調に人気が出て、多くのフルーティストたちによって演奏されてきました。作曲者自身によるリアレンジで三重奏版、フルート&ピアノ版、サクソフォン、クラリネット・・・と他の楽器、編成へと広がりをみせ、本日演奏のフルート七重奏版にも繋がっていくことになります。
I. エメラルドグリーンの風 Ⅱ. 真紅のルビー III. ブラック・インヴェンション
Ⅳ. 紫の薔薇 Ⅴ. ブルー・パステル
主催:板橋フルートオーケストラ
協力:村松楽器販売株式会社
お問合せ:fluteitabashi@gmail.com
080-5506-9717 山下