第127回住まいとまちづくり講座「マンションの防災」

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東日本大震災10年、熊本地震から5年マンションの防災を考える
2021.4. 23(金)19:00~20:30オンライン

 今年2月11日に第47回住みよい板橋をつくる区民と勤労者のつどい(区民研)で「東日本大震災10年のメモリアル集会」をおこないました。被災地の宮城県からの報告では復旧がまだなところもり、復興といっても多くの人々のためのものではなく、大企業にお金が使われているということを受け止めました。
被災地への励ましと同時に自分たちの安全をどう確保するかという目的で企画したものです。
 その50時間後の2月13日にM7.3という、阪神淡路大震災と同じ大きな地震が起こり「福島県沖地震」と名付けられました。宮城県と福島県で最大震度6強を観測しました。10年前と同様の被害が発生してもおかしくないほどの地震でした。まだまだ安心はできません。

  10年前の東日本大震災では「地震・津波に放射能・エリートパニックと無計画停電」という被害や混乱があったと考えています。しかし、国内でのその後の災害を見ていると「噴火・竜巻・火事・台風」を付け加えなければなりません。
 まさしく災害列島です。

マンションも襲った5つの大きな地震+4例
 日本のマンションは1回目の宮城沖地震をはじめとして計5回の大きな地震に遭遇しています。
2回目の阪神淡路大震災以降は、福岡県西方沖地震、東日本大震災、熊本地震です。
それぞれ地震でマンションの被害やその後の対応も少しずつ違ってきました。
 
初めてのオンライン講座
 事務所では「出前講座」という形で、地域の集まりや生協、学校、マンションなどに出向いて講演をおこない、講座も企画してきました。
コロナ禍であっても、大きな災害がいつ起こるかわからないので、今回はオンラインで防災講座を開催することにしました。自分たちの見てきたこと、知っていることを伝え、一緒に考えていただきたいと思います。

安全管理こそ
「安全管理」という姿勢が重要です。危機管理という災害が起きてからというイメージが強くなるので、「減災・防災」を中心に事前防災、安心を考えられる「安全管理」という意識こそ大切です。
当然、災害が発生すれば「危機管理」としての対応が必要です。

防災計画と防災マニュアル
 「防災計画」は総合的、長期的なことを考え作成します。「防災マニュアル」は予定していたメンバーが集まらないなど、多少条件が悪くても、その時にも進められるように考えておく手引です。計画とマニュアルが実際には同じ意味で使われているときの方が多いです。私たちの書籍でも同じように使いました。

それぞれのマンションで、防災力アップを
 人・物・情報が大切 複合災害も考える

レベル1 対応策を何もしていない。
・「防災力診断チェックシート」参照
・「緊急簡易防災マニュアル」参照
・防災計画、防災マニュアルを作りましょう。
・古いマンションでは耐震診断、助成制度利用。
・東京都千代田区のホームページに「マンション防災計画ひな形」「居住者名簿例」が
あります。このようなひな形に自分のマンションのことを記入して、まずは簡単につ 
くってから、避難訓練なども含めて加筆修正で充実していく方法もあります。
・地震保険のチェック

レベル2 防災マニュアルはつくったが、見ていない。
・必要な耐震補強。助成制度利用。
・防災訓練はしているがマンネリ 参加者に記念品
・防災用品の購入の予算を提案すると論議が活発になります。
・避難所を見にいきましょう。
・自宅避難の確認 支援物資は届くか?
・エレベーターの自動診断復旧装置は有効。緊急時脱出訓練。防災グッズ収納箱設置。
・管理会社との連携     
     
レベル3 マニュアルは暫時改良をしている。
・中高校生の参加。
・訓練も工夫して実施している。
・多数の参加がある。
・自宅避難の充実
・自宅避難を行政に認めてもらい、支援物資等の確保。
・防災用品の充実
・近隣マンションとの交流
・近隣地域との協力体制がある。
・集会室はミニ避難所
・ペット同行避難
・緊急放送 

レベル4 経験に基づく知識を深め、発信している。
2000年に規定されたマンション管理士や管理組合の集合組織が次の災害に備えての
記録・提言活動がされてきた。マンション学会でも積み上げられている。
・宮城県マンション管理士会 東日本大震災の実態報告と教訓化レポート
「震災とマンション」「同Ⅱ」「分譲マンション防災マニュアル作成ガイドライン」
・熊本県マンション管理組合連合会「マンション地震対応箱」

目標  今まで起きた規模の災害なら人的被害はでない。
建物や設備などへの被害を極力出さない工夫をする。
想定されるより大きな災害も対応できる。

災害時に周辺の同様の建物より大きな被害を出したなら、建物のどこかに弱点があると考え
られます。
  
他の災害
水害 
・ハザードマップの確認
・近所の排水のほうが、水位が高くなると排水不能や逆流することもある。
・地下等がある場合は排水ポンプの確認、能力の検討、必要に応じて充実。
・停電時の対策。
・電源、分電盤、制御盤類は高くする。
・水害避難ビルになれるか。 

災害が起こると問題点が表面化する課題
・認知症
・バリアフリー
・多国語対応
・ペット同行避難

震災後の流れ
マンションの危険箇所の把握と立ち入り禁止処置
災害対策本部の設置       (ホワイトボード・机・掲示)
居住者・区分所有者の連絡先の確認(入居者名簿) 
住民による建物の被害状況の把握 (アンケートを事前用意)(写真を撮る)
住民説明            (判定結果・ゴミ出しルール・協力依頼など) 
各種支援情報の収集と掲示
★ライフラインの復旧

地震から1週間
①行政へ           罹災証明申請(無料)
②保険会社へ         地震保険判定申請(無料)
③建築構造専門家へ      被災度区分判定(有料)
④被害状況を随時住民に説明
⑤各種支援情報の収集と掲示
⑥復旧工事に関する情報収集

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