Q&A 熊本地震で被災したマンションへの対応

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Q 熊本市内にある築42年の6階建てマンションです。高台にあるので大丈夫だと思っていましたが、被災して廊下の壁にX状のひびが入りました。全体を見て回りましたが、柱にひびはないようです。建て替えなければいけないでしょうか。

A 結論からいえば、補修で直せる場合もあるので、先にきちんと調査をするべきだと思います。その結果で建て替えになるかもしれませんが、修繕や補強の方法もかなり向上しており、まず調査をしてからというのは阪神・淡路大震災や東日本大震災からマンション住民が学んだ貴重な経験です。
 1995年に起きた阪神・淡路大震災では、マンションの建て替え決議が被災後9年数カ月後まで延びてしまった例もあります。正しい技術判断と規約にのっとった手順をとることが大切です。
 熊本地震では震度7が2回発生するという強い揺れと引き続く余震で、多くの建物に被害が出ました。
 過去の地震記録をふまえ、国土交通省が「地域別地震係数」を定めています。「地震が普通に発生しやすい地域」の基準値が「1」なのに対し、「相対的に地震が発生しにくいと思われる地域」は「0・8」「0・9」などと表します。熊本市は「0・9」と区分され、耐震基準が低く設定されていたことも被害の大きさに影響しているのではないかと思います。
 大規模地震のたびにさまざまな調査が行われ、技術的にも安全への努力は続いています。耐震基準は「震度6では修繕して使える程度」「震度7では倒壊したとしても避難の時間は耐える程度」とされ、ほとんどのマンションはこの基準を満たしています。

 調査ではどんなことに気を付けたらよいですか。

 当初の構造設計に照らして被災の状態を調査し、弱くなった箇所を補強していくことで、全体的な強さをバランスよく取れるかが判断の基準になります。
 公費による解体の期日があるのでとあせる気持ちも分かりますが、やはり信頼できる専門家に相談をすることが最初でしょう。

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